医学部6年のタカパラさん。

なんて生きにくい、この世界の中で。医学生やってます。

愛着障害≠and≒発達障害

愛着障害発達障害

 

岡田先生の愛着障害 子供時代を引きずる人々を読んだ。

この本によると結構な数の愛着障害発達障害として診断されているとのことだった。
もちろんこれらの疾患は名前が違えば、その中身も異なっており、愛着障害は養育者との関係不全が大きな役割を占め、発達障害は遺伝的な要素が強い。
発達障害は先天的な影響が強くて、愛着障害は後天的な影響が強いとも言える。
なかには愛着障害の基礎に発達障害があって、家庭内で二次障害を引き起こし、その結果愛着障害を引き起こしているものもある。
その逆もしかりで、愛着障害によって発達障害が悪化することもあるし、両者の関係は密接であると言える。

 

症状としての表現形もこの二者は似ており、しばしば混同されていることもあるとのことだ。
確かに見分けにくい。

 

臨床的には発達障害薬物療法としては、ADHD注意欠陥多動性障害)に対してはその本質的な部分に作用すると思われる薬を使う。
具体的にはメチルフェニデートコンサータ)(中枢神経刺激)、アトモキセチン(ストラテラ)(NRI: ノルアドレナリン再取り込み阻害)を使用する。
ASD(自閉症)の過敏性や情動行動などに対しては、リスパダール抗精神病薬)等を対症的に使用する。
もちろんどちらの疾患に対しても、本人の能力を最大限発揮させるように工夫したり、二次障害の予防を行うために、生活指導や環境調整を行う。

 

愛着障害の治療は本書によると、幼少期の環境の心象を言語できちんとあらわしたり、絶対的に信頼できる他人を見つけ親子関係をやり直したり、むしろ自分が理想の両親となり自分と対話すると良いなどとと記載されており主に心理療法に重きを置いている。
こっちは根本の部分に作用できるわけで抜群に改善しうる点で目に鱗であった。

発達障害ADHD、ASD以外にも色々あります。

 

自分は自分の性格を発達障害的だと思っていたが、愛着障害という概念を知って、もしかしたらこっちかもしれないという気になった。
今のところ自分は二次障害が引き起こされているかどうかよく分からないが、性格は陰鬱であるし、親しい関係を作ることが苦手だったりする所がある。
だけど、人生としてはまあまあで奇しくも医学部に進学できたし、まだ留年していない。
発達障害愛着障害かどっちかよく分からないが、不得手な所も多いし親子関係を考え直しても良いかもしれない。

 

 

お題「マイブーム」