エチゾラム+発達障害=?
学生の立場では多くの患者を診ることは少ない。
病気というものの治療法は統計から導かれているものである。
我々が学ぶ医学はその賜物である。
しかし抗癌剤治療や、精神科的な治療の一部ではアートの要素が存在する。
大まかな治療方針は存在するのだが、細かい部分ではオーダーメイドなのである。
たとえば、
発達障害を持っている知り合いはFPSというジャンル(一人称視点対人シューティング)のゲームをする前にデパス(エチゾラム)を内服しているらしい。
内服後はテンションが上がり叫びながらゲームをしているらしい。
この話を聞いて、杉山登志郎先生が発達障害者に高不安薬を与えることは行動化を促すだけで禁忌だと言っていたことを思い出した。
一般的に禁忌とされていないが、杉山先生はこのような考えを持っているのだ。
たくさんの症例を経験する内に自分なりの治療方針の哲学が定まっていくのは精神科の魅力の一つであると感じている。
ガイドラインに従うだけの医療は、つまるところロボットでも内科的な治療を立てることができるからである。
自分は自分にしかできないことをしたい。