水たまりの底で
自分はどこか底深い水たまりの中に沈んでいて、上空から微かに照らす光を求めているという自己心象がある。
稀に真面目な話をされたときに意見を求められるが、誰にでも考えられるような無難な意見を返してしまう。
将来の進路として、「出世しなくて良いし、そこまで頑張る必要は無いと思っている」という彼女に対して、「まあ人それぞれだから」と言った感じにつまらなく返してしまった。
机上での勉強はそれほど不得手では無いが、その場その場での思考力は低いということを思い知らされる。
自分の発言が自分の本心と乖離していてたちが悪いと思うこともある。
普段はふざけたことしか言っていないし、そうしたことで自分の気持ちを盛り上げようとしている感はある。
しかし実際にそうすることで浮上することは殆ど無いし、その現場を振り返ったときに自らの心象との格差に失望してしまう。
最近は自分が人に対してどのような発言をすれば良いかということさえも忘れつつある。
くだらない方向へばかり進んでしまっては意味がない。
ただ、このような自分を隠すような振る舞いは、以前育ってきた環境で周りの人間が荒廃していたことから覚えた処世術だといえる。
今の環境は昔と比べて恵まれているし、行動を変える良い機会では無いかと思う。
自分はどこか底深い水たまりの中に沈んでいて、上空から微かに照らす光を求めているという自己心象がある。
結局は普段からまともな行動をしてまともな発言をして地道に進むのが良いとは最近は思っている。
振りかえると、以前受けた精神科の授業で同級生に認知行動療法をやってもらって思いがけず光が差し込んだことを覚えている。
見つけることは私にとってはかなり難しいのだけど、真面目に話することに値する人に、真面目に関わるのが良いのでは無いかと考えている。